Life with INDEN

印伝を愛用される方のライフスタイルをご紹介

  • 2017.04.17 「Life with INDEN」を公開しました。
  • 2018.02.22 「三澤彩奈さん」ライフストーリー公開。

  • 印伝

    印伝

    ワイン醸造家、三澤彩菜さんの葡萄柄のカードケース

     
    山梨に生まれ育ったワイン醸造家の三澤彩奈さんにとって、印伝のアイテムは子どもの頃から愛用してきた身近なもの。取材の時に見せてくれた、愛用の印伝のアイテムは、どれも植物の柄でした。その中でも、この赤い革に白い漆でブドウ柄が描かれたカードケースは「ワインやブドウの色柄のものをみると、気になってしまう」という彼女らしいチョイスです。「印伝はいろいろな柄があって選ぶのが楽しいですよね。そしてどの柄も品が良いのが魅力だと思います」
  • LIFE STORY

    三澤 彩奈

    山梨県甲州市在住、30代、ワイン醸造家

    ブドウの一番いい瞬間を逃したくない。

    右手に八ヶ岳、正面に甲斐駒ケ岳、そして左手に富士山を望む斜面に広がる、三澤農場のブドウ畑。収穫を終え、葉を落としたブドウの樹は、横に広く枝を伸ばす棚栽培とは異なり、まっすぐ空に向かって枝を伸ばしています。この垣根式栽培が、この畑の特徴。収穫量は棚栽培よりも少なくなるけれど、果実味がギュッと凝縮したブドウが実るといいます。


    「1月には、剪定をします。残した枝からは、春になると、芽が出て、今年の実りのための新しい枝が伸びてきます」と、畑を案内してくれたのは、この畑の責任者であり、山梨を代表するワインブランド「グレイスワイン」の醸造責任者である三澤彩奈さん。大学卒業後にフランスや南アフリカで醸造を学び、父・茂計さんが4代目を務めるこのワイナリーで、ワイン造りを始めました。


    「やっぱり畑にいるのは好きですね。夏から秋には朝早くから毎日畑です。不要な芽を摘み取る『芽かき』をしたり、余分な枝を払ったり、やることは常にあります。8月の末からは収穫と、ワインの仕込みが始まります。1年で一番好きな季節です。ブドウが一番いい状態を逃さずワインを仕込みたいから、寝る暇も惜しい。大変だけど、一番充実感を味わえる季節なんです」


    言葉を選びながらゆっくりと話す三澤さんですが、その静かな語り口からはワイン造りへの情熱があふれるようです。

    頭の中にあるのはいつもワインづくりのことだから。

    「いいクオリティのおいしいワインを造りたい」という、三澤さんの醸造家としてのこだわりは、「コーヒーや辛いものは味覚に影響するから口にしないし、化粧品はもちろん洗剤やシャンプーなども香りがワインの邪魔にならないように気を遣っています」というほど。オフの過ごし方や気分転換は? と訊ねると、「よく、『趣味は何ですか』と聞かれるんですけど、正直なところ、趣味がないんです」と困ったように笑いました。


    「特に収穫と仕込みの3ヶ月間は醸造所に泊まり込んでいて、テレビもないし、気分転換にもワイン関係の本を読むくらい。醸造の機材のことを調べたり、カスタマイズを考えたりするのも楽しいですね。たとえば樽から試飲用にワインを抜き出すピペットも、自分が使いやすいように考えて、特注で作ってもらったんです。そういえば、そういうワイン造りの装置や道具をただの機材だと思ったことはないですね。大事なパートナー、のようなものでしょうか」


    自分のための生活雑貨や小物などを選ぶときも、ワイン柄があれば気になってしまうし、選択肢の中にブドウ色のものがあったらそれを選んでしまうそう。では、人を見るときは? 「あ、この人は甲州っぽいなー、カベルネソーヴィニヨンっぽいなーとか、思ってしまうことはあります(笑)」とのことで、彼女のアタマの中はまさにワインでいっぱいの様子。でも、ただストイックに没頭しているだけではなく、それが楽しそうでもあるのが印象的です。

    すべては甲州のために。

    そんな彼女にとって特別なブドウ、それが甲州です。ずっと山梨で栽培し続けられ、長い歴史を持つブドウですが、その知名度と価値をぐっと高めたのが、この畑で育った甲州で三澤さんが造った「キュヴェ三澤 明野甲州2013」の、世界的アワードの金賞受賞でした。


    「甲州ブドウは、もともとワイン造りのために生まれたブドウですが、未だ試されていないことが多いんです。たとえば栽培を垣根仕立てにしたことだけでも、ぐっと糖度が増し、その可能性を教えてもらいました。だから、これからもっともっと甲州の良さを引き出したワインは造れると感じています。醸造技術に頼るだけではなく、なるべく自然に造ることで、甲州の力を引き出したい。もともと、甲州は、祖父と父が人生をかけてきた品種です。その思いは、私にも自然と受け継がれていると思います」


    目標は、甲州とともに山梨というワイン産地を確立すること。そんな思いでワイン造りをしている彼女が、大切にしている言葉があります。「small is beautiful(小さきことは美しきかな)」。著名な経済学者であるF・アーンスト・シューマッハーのエッセイのタイトルですが、これもまた「昔、父の本棚に見つけて」という、父から娘に受け継がれたもの。


    「ワインづくりは時間のかかるもので、それに携わるようになって、私も10年20年と長いスパンでものを考えるようになりました。その流れの中で、大切にしなくてはならないものは、身近なもの、自分自身や家族、ワイナリーの社員、そしてブドウ畑…。地方での小さなワイン造りの良さを活かして、目の届くところ、手の届くところを大切にしたい。それが私のsmall is beautifulなんです」

    自分自身も目指しているワインのようになりたい。

    ワイン造りへの情熱、ブドウへの思い、さまざまなものを父・茂計さんから受け継いで醸造家の道を歩いている彼女にとって、印伝のアイテムもしばしば父から贈られてきました。特に、ワイナリーに就職するときにもらった印伝の青海波模様の名刺入れは、思い出深いプレゼントだったと言います。


    「父は目標としている人であり、追いかけていくことで精一杯。そんな父の元で醸造家として仕事を始めるときにもらったものでしたし、この模様は何か私へのメッセージなんじゃないか…とか勘ぐったりもしましたけど、すごくうれしかったですね」


    山梨というふるさと、甲州というふるさとの味を自分の中に持っていることを、とても幸せに感じるという三澤さん。印伝もそんな山梨人としてのアイデンティティの象徴のひとつ。


    「桜模様のペンケースは高校生の頃から今もずっと愛用しています。印伝は、身近なものなんですよね。ずっと使っていても飽きないし、だんだん自分のものになっていく感じが好きです」


    そういう印伝の「時を経て生まれる味わい深さ」は、ワインにも共通するキーワード。三澤さんがこれから目指していくのはそんな、熟成させてもおいしい甲州のワインです。


    「これからも甲州らしいキリッとキレイな味わいのワインの造り手として、ストイックな気持ちで凛とワイン造りをしていきたい。そして、『グレイスワイン』という名前のように、自分自身もgrace(優美な、気品ある)な人でありたい。ワインは自分を映す鏡であり、そして私自身もワインにつくられていくのだと思います」

    PROFILE

    PROFILE

    三澤彩奈


    中央葡萄酒株式会社4代目オーナー三澤茂計の長女として生まれ、幼い頃からワイン造りに親しむ。単身渡仏し、ボルドー大学でワイン醸造について学ぶ。のち、南アフリカ・ステレンボッシュ大学院に進学。ニュージーランド、オーストラリア、チリ、アルゼンチンのワイナリーで研鑽を積み、中央葡萄酒株式会社に入社。2014年、世界最大級のワインコンクール「Decanter World Wine Awards」にて、日本ワイン初の金賞に輝く。2015年、二年連続となるリージョナルトロフィー(アジア地域最高賞)を受賞。


    http://www.grace-wine.com/

  • 印伝

    印伝

    ネイチャーガイド、藤井憲一郎さんの名刺入れ

    北杜市を拠点にネイチャーガイドを生業とする藤井憲一郎さん。仕事柄、機能を重視したハイスペックの衣服や小物を身に纏っていますが、どこかに山梨で暮らしていることを表現するものを取り入れたかった。そこで久々に新調した名刺入れにひょうたん柄の印伝を選びました。「僕は新しいものも古くから伝わるものも好きなんです。印伝はシンプルで奇をてらっていないし、ほとんどモデルチェンジしていない。どれだけ長く付き合っていけるのか楽しみですね
  • LIFE STORY

    藤井 憲一郎

    山梨県北杜市在住、40代、ネイチャーガイド。

    誰よりも自然を楽しむ“I love me”精神。

    「僕のモットーは”I love me”の精神。自分が誰よりも楽しむことで、誰かに伝わるものがあるはずだと信じていて」と語るのは藤井憲一郎さん。スノーシュー、カヤック、トレッキングといったアクティビティを通じて、自然の魅力を伝えることを生業とするネイチャーガイドです。藤井さんのアクティビティの特徴は、ユーモアを交えながら自然と向き合うということ。お客さんだけでなく自分自身も楽しもうとするアクティビティにはリピーターが多く、参加者には「ふじけんさん」の愛称で親しまれています。


    そんな自然界のエンターテイナーは八ヶ岳南麓に位置する北杜市で暮らしていますが、北杜市といえば根強い人気を誇る移住の街。藤井さんも移住者の一人であり、山梨県のお隣である静岡県浜松市で生まれ育ちました。


    「父の勤め先の保養所が信州の女神湖周辺にあって、幼い頃から八ヶ岳周辺に連れて来てもらっていたんですね。いま僕が案内しているアクティビティは比較的緩いものがメインですが、それらを選んだのは父親譲りなのかもしれません。父は山に登るよりも眺めるほうが好きでしたから」


    藤井さんが自然にのめり込んだきっかけは、大学時代に登山愛好会に入ったことでした。北・南アルプスの縦走も経験しましたが、肌に合っていたのは低山のトレッキング。頂上を目指すよりも、ただ黙々と歩くことを楽しむ。そこから派生してヒッチハイクで日本一周したり、四国八十八ヶ所をお遍路したりと、好奇心は“旅”に向けられていきました。


    「僕はホームページの運営からガイドまで自分一人で行なっていますが、このワンオペレーション体制は当時に培われたものなんです。つねに自分のことを誰かに発信したい、見てほしいという欲があって、四国をお遍路したときは弁当箱のようなノートパソコンを持ち歩いていましたから。その先々でホームページを更新しながら、お遍路の模様を伝えるということを繰り返していました。 “I love me”のルーツは当時にあるのかもしれませんね」

    自然に癒されるのは当たり前。エンターテインメントという付加価値を。

    電脳装備のお遍路さんはさまざまなメディアで話題に。その模様を国内旅行代理店の社長が注目し、藤井さんと対面することになりました。藤井さんは自身の経験に基づくインターネットを活用した旅行PRをプレゼンテーション。それに対して社長から「インドに行ってみて同じことをやってみては?」とアドバイスを受けて、人生初となる海外旅行に繰り出しました。


    帰国後に大学を卒業すると大手旅行会社に入社。ところが、今をときめく大手旅行代理店での社員生活はわずか2年ほどで幕を閉じることに。


    「急成長中の企業で経験を積むよりも、自分の本能に従おうという気持ちが強くなって。山旅に出たい気持ちを抑えられなくて、上司に『山が僕を呼んでいるんです』と宣言して退職しました(苦笑)。そこから今に至る流浪の旅が始まったんです」


    旅の目的地に選んだのは、幼少期から足を運んでいた信州エリアでした。まずは乗鞍高原のペンションで約1年間の居候生活。そこではじめて雪原を自由に闊歩できるスノーシューに魅了されました。程なくして八ヶ岳南麓での生活をスタート。自宅がありながらも雪原でテント生活していると、蓼科のペンションオーナーに声を掛けられたことがきっかけで、そこの宿泊客向けにネイチャーガイドを始めることに。以前のようにウェブサイトを作り、写真を撮ってはガイドの模様を発信するというサイクルを作っていきます。


    「当時は冬に特化したネイチャーガイドをしていて、閑散期の夏にはいろいろなアルバイトで生活を凌いでいましたし、八ヶ岳ジャーナルという地元新聞社の記者と掛け持ちする時期もありました。夏のアクティビティが必要だとわかっていても、とりあえず何かを選べばよかったわけではなくて。四尾連湖をメインにしたカヤックを取り入れるまでに4,5年かかりましたが、お客さんに付加価値を与えられるものを模索していたんです。自然に触れて疲れを癒されるのは当然だから、僕にできるのはお客さんを楽しませること。僕と話すと楽しい、元気になれると言っていただけるのはエンターテイナー冥利に尽きますね」

    大義を語る前に小義を語れ。家庭というひとつの集合体を大事にしたい。

    流浪の民だった藤井青年は2008年に奥様と結婚。今では小学校1年生と2歳の息子たちを育てる立派な父親でもあります。2001年から転々と場所を移しながら八ヶ岳エリアでの生活を送ってきましたが、藤井さんはつねに自然と触れる毎日からどんな影響を受けてきたのでしょうか。


    「八ヶ岳の自然風景は毎日見ていても飽きませんし、いつも子どもを送り迎えするときにこの山々に囲まれた景色に感動しています。でも、八ヶ岳はあくまでも生活と仕事の拠点という意識ですね。僕個人としては何事もバランスが重要だと考えていて、県外や海外に足を運ぶようにしています。海外ではサンティアゴ巡路を何度か踏破していて、そういうところからもやっぱり僕は旅が好きなんだなって」


    さまざまなカタチで街と自然を行き来しながらも、この場所で家族と暮らしていきたい。それを死守するために、藤井さんは仕事のスタイルを柔軟に変化させているといいます。


    「僕には『大義を語る前に小義を語れ』という哲学があって、何をするにしても家庭内が荒んでしまったら、元も子もないじゃないですか。その表れとして、子どもたちの成長にあわせて、早朝メインのアクティビティをお休みするようになりました。やっぱり家庭あってこその仕事というか。子どもたちを送迎したり、宿題を見てあげたりして、家庭というひとつの集合体を大事にしたいんですね」

    ひょうたん柄の印伝は自分の人生の映し鏡。

    ネイチャーガイドを生業とする藤井さんと印伝。その間にある共通項は言うまでもなく自然です。アウトドアアクティビティを通じて自然の魅力を伝える藤井さんに対して、印伝は一つひとつの製品のモチーフを自然から着想を得ています。


    実際に藤井さんは印伝の名刺入れを愛用。仕事柄、洋服も小物も高機能素材を用いたアウトドアブランドの製品を使うことが多いけれども、自分が山梨県で暮らしていることを表現できるものが欲しかった。その答えが印伝でした。


    「春先になると都内でアウトドア関連の展示会に足を運ぶのですが、名刺交換用に名刺入れが必要になってくるんですね。名刺交換は仕事の入口ですし、TPOをわきまえたものを探していたんです」


    藤井さんは物持ちが良く、高校時代に買ったBarbourのハンティングジャケットやL.L.Beanのビーンブーツをなんと20年以上も愛用しています。言い換えれば、色や風合いの経年変化を楽しめることもモノを選ぶうえでの判断基準なのです。


    「10代後半の小僧がよく買いましたよ(笑)。Barbourのジャケットはボロボロだけど、2年に1度はイギリスに送ってメンテナンスしてもらっているんです。裏地はそのままで、表地の補正を繰り返していて。L.L.Beanのビーンブーツもソールを張り替えて履き続けています。機能優先でモノを選ぶことが多くなった今の時代に、印伝のようにこれからを楽しめるものと久々に出会えたのは嬉しいですね。名刺入れのひょうたん柄に子孫繁栄と商売繁盛の意味があることは後から知りましたが、さらに印伝への思い入れが強くなりました。流浪の民だった僕がネイチャーガイドという生業と山梨という定住の場所を見つけて、家庭を築くことができた。今までの歩みを振り返ると、ひょうたん柄の印伝は僕の人生の映し鏡なのかもしれない」

    PROFILE

    PROFILE

    藤井憲一郎


    ひといき荘アウトドアサービス代表。「ちょっと”ひといき”しよう」をテーマに、春からに秋にかけては四尾連湖(山梨県市川三郷町)でのレイクカヤックプログラム、冬は八ヶ岳北麓(蓼科)でのスノーシュートレッキングを日々開催。初心者から熟練者まで楽しめる安心安全なフィールド&海外トレッキングを展開している。ユニークなキャラクターと丁寧なコミュニケーションで多くの参加者の心を掴み、アクティビティにはリピーターが絶えない。


    https://www.hitoiki.in/

  • 印伝

    印伝

    イラストレーター・グラフィックデザイナー、小幡彩貴さんのパスケース


    7年間愛用している亀甲模様のパスケースは現在の旦那様がお付き合いしていた時代にプレゼントしてくれたものです。中にはPASMOが入っていますが、その表面には東京で暮らしていた自宅と職場の最寄り駅が今も印字されたまま。デザイン事務所のグラフィックデザイナーから独立した変遷が刻まれた記憶の再生装置でもあります。「印伝は渋くてかっこいい。印伝を持っている私はオトナなんだぞと誇らしい気持ちにさせてくれるんです」。

  • LIFE STORY

    小幡 彩貴

    山梨県甲府市在住、30代、イラストレーター・グラフィックデザイナー。

    自分の気持ちに嘘はつけない。私にはやっぱり絵なんだ。

    モノクロの色使いと太い実線。きわめてシンプルな要素で描かれているのに、その人物や風景からは情緒が滲み出ている。そんな台詞や注釈がなくても心の機微が伝わってくる独特なイラストは、日本国内のメディアはもとより、イギリスの世界的な雑誌『MONOCLE』からもオファーが届くほど。「本当に私なんぞでいいのかって…」と戸惑うのは作者の小幡彩貴さん。なんと彼女は甲府市で暮らしています。


    幼い頃から絵を描くことが好きだった小幡さん。意識的に絵を描き始めた入口は祖母が買ってくれた漫画『トゥインクル・きゃっと』でした。「いちやまマートで買ってくれたのを今でも憶えています(笑)。小学校の図画工作の授業では、人物の絵がどうしても漫画のキャラのようになってしまって、よく先生に注意されましたね」


    中学、高校と進んでいくと“進路”という言葉に敏感になっていきますが、小幡さんには明確な将来像はありませんでした。「夢とか聞かれると困るんだよなあって。むしろ他の人はどうして明確な目標があるのか不思議でした。本当は美術系の学校に進学したかったけど、絵を描くことが勉強に含まれないような空気があって、なかなか言い出せなくて。だから、とりあえず都内の女子大に進学しました」。


    なんとなくインテリア方面かもしれない。はっきりしないまま決めた進路が違うと気づいたのは入学してから半年後のこと。「私にはやっぱり絵なんだ」。自分の気持ちに嘘はつけませんでした。

    荷物も持たずに付いて行っちゃえ。

    大学を中退した小幡さんは、日本初のデザイン専門学校である桑沢デザイン研究所に入学します。2年生で専門分野としてグラフィックデザインを選ぶと、最終年次の3年生になると業界を広告に絞っていきます。当時はグラフィックデザイナーの憧れの的が広告に集まっていた時代。森本千絵さん、野田凪さんなどが注目されていた時期でもあり、彼女も女性クリエイターたちの影響を受けて、絵を描くことよりもビジュアルをデザインすることに惹かれていくのも納得できます。


    ところが周りの環境に流されやすいのか、3年生の夏までは就職活動を続けていたものの、友人たちの“もういいや”というムードに呑まれてしまいます。「仕送りがストップして、実家暮らしをせざるを得なくなって(苦笑)。高校の時には考えられない状況でしたけど、結果的にそれで良かったんです」


    卒業して甲府に戻ると、しばらくはアルバイト暮らし。再び小幡さんの就活スイッチがオンになったのは突然のことでした。「お付き合いしていた彼(現在の旦那様)が東京から山梨に帰ってきていて。駅までただ見送りに行くつもりだったのに、荷物も持たずに付いて行っちゃえって。そのまま東京で就活を始めて、ナノナノグラフィックスというデザイン事務所でグラフィックデザイナーとして働くことになりました」

    想像を遥かに超える毎日のなか、ひたすら絵を描き続ける。

    ナノナノグラフィックスではエディトリアルデザインを主に担当。それと同時に、職場から帰宅して寝るまでの1時間を活用して取り組んできたことがあります。それは絵を描くことです。「今の作風が形になってきて、仕事を辞める半年前くらいから、やっぱり絵もいいなと思い始めたんです。その時は主に帰り道の風景から描きたいものを見つけていましたね。なので、朝の爽やかな感じよりも夜の静まりかえった風景が多かったかもしれません」


    漫画が原体験にある小幡さんは漫画用のGペンや原稿用紙を揃え、モノクロで太い実線のイラストレーターの代表格であるNoritakeさんや、ミスタードーナツのイラストを描き下ろしていた原田治さんなどに影響されながら自身の作風を確立していきます。自分らしさを表す上でもっとも意識しているのは行間の描写。直接表現されていないのに登場人物の心情が気になる作風はある日突然、大きな注目を集めることになります。「Tumblrにアップした『今年の桜は雨の記憶となるでしょう』という絵をきっかけに、“like”の通知が止まらなくなって怖くなりました…(笑)」。


    Instagramにも作品を投稿するようになると、思いもしなかったInstagram経由で仕事のオファーが届くように。想像を遥かに超える毎日のなかで、小幡さんはひたすら絵を描き続けています。「個人制作よりも仕事に重きが置かれてきたけど、今は声をかけてもらえるのがありがたいので、とにかく一生懸命やろうと決めていて。まだイラストレーターという自覚がピンときていないので、イラストレーターとは何かを考えていきながら、いつかはまた個人制作に取り組みたいです」

    いつかは漫画を描きたい。

    2015年2月、小幡さんは結婚と同時に住まいを甲府に移しました。彼女の個人作品は、四季をテーマに普段の生活のなかで感じたままに描くというスタイル。山梨は、夏は暑く冬は雪が降りますが、四季の移り変わりがわかりやすい地元での生活は、自身の絵に自然な変化をもたらしています。「今は家の近くの山とかが絵に表れています。電車の代わりに自転車に乗っている絵が増えましたね」


    小幡さんが四季をテーマに選ぶように、印伝の柄も四季や自然をモチーフにしています。彼女が愛用している亀甲模様のパスケースは2010年からの付き合い。ふと「印伝がほしい!」と思い立ち、印傳屋の本店に足を運んだのだとか。「旦那さんと本店まで見に行ったら、プレゼントしてくれたんです。パスケースには東京時代に使っていたPASMOが今も印字されたまま入っています。県外で山梨出身の人と知り合うと印伝を持っていることが多くて、それだけで通じ合えるんですよ。やっぱり故郷のものには愛着が湧きますね。印伝を持っていると、自分はものの価値がわかるんだぞって誇らしくなります」


    印伝の柄は2色以内で描かれることがほとんど。色数が少ないという点も、小幡さんの作風と大きな部分で共通しているのかもしれません。「『DAWN』という個展では2色の作品も発表しましたが、フルカラーとはまた違ったところで表現していきたいですね。いつかはやっぱり漫画を描きたいです。台詞無し、単純なシーンの切り替えだけで成立できたらなって」

    PROFILE

    PROFILE

    小幡彩貴


    2009年桑沢デザイン研究所総合デザイン学科卒業。2010年から2014年まで有限会社ナノナノグラフィックスにてグラフィックデザイナーとして勤務後、フリーランスのイラストレーター・グラフィックデザイナーとして活動中。『NHK Enjoy Simple English Readers Short Stories』(NHK出版)、『最後はなぜかうまくいくイタリア人』(日本経済新聞出版社)などの装画・挿絵、その他雑誌・書籍・ウェブサイトなどでもイラスト・デザインを手掛けている。個人作品では季節をテーマにしたイラストを発表。作品集『季節の記録 - Records of the Seasons』が発売されている。


    obatasaki.com

  • 印伝

    印伝

    染色家、古屋絵菜さんの手鏡

    自身と同じ染色家である母・真知子さんから贈られた手鏡は、印傳屋が昭和56年1月に青山店を出店した際に発表した節目の製品。印伝の伝統柄に欧米のニュアンスを取り入れ、花のまわりを妖精が浮遊するデザインに仕上がっています。
    母から染色を受け継いだように、印伝を知ったきっかけも母にありました。34年前に青山店へ出店する際に和物ではなく洋物をっていうことで作ったのがこれなんです。…あるものほとんど廃盤で博物館みたいですね。乱菊という古典模様やヘリンボーン、牡丹。柄のチョイスがいいですね。
  • LIFE STORY

    古屋 絵菜

    山梨県甲州市在住、30代、染色家。

    母の影響から見えてきた芸術家への道。

    溶かした蝋で布に絵を描く、ろうけつ染めの技法を用いる染色家の古屋絵菜さん。同じ染色家である母・真知子さんの影響を受け、幼い頃から芸術と工芸が身近な環境で育ってきました。この日訪れたのは彼女がアトリエを構える甲州市の生家。居間で寛ぎながら、自身の原体験を振り返ってくれました。「母がアトリエで染色をやっていたので、絵を描くことと生活することが同じ行為だという認識で成長してきたんです。それこそ、どの家でも親は絵を描いていると思っていたくらいに(笑)」自身の家庭環境が特殊だと気がついたのは小学校高学年くらいのこと。古屋さんには映像作家の妹・桃与さんと1級建築士の弟・友只さんがいますが、三人の子どもたちを育てながら毎年2回大きな展覧会を開いてきた母の背中を見続け、その頃から将来は美大に進学して“絵を描く人”になりたいと思い続けてきたといいます。「母が美大卒なので、それ以外の選択肢はありませんでした。もうひとつ大きかったのは、日本画家の奥田元宗さんの作品に感動したことですね。幼いながらに自然の凄さを感じて、日本の自然を描こうと決めたきっかけになりました」

    ろうけつ染めと、作品のモチーフである花との出会い。

    古屋さんがろうけつ染めに触れたのは武蔵野美術大学に入学してからのこと。幼少期から真知子さんを通じて技法としては認識していたものの、特に意識はしていなかったのだとか。「大学はテキスタイル科に入学して、授業にろうけつ染めが組み込まれていたんです。ろうけつ染めには特有の表情があって、輪郭がはっきりして立体的に仕上がるんですね。意外かもしれませんが、工芸なので身体的な動きがあるんですよ。水洗いとかロウ取りとか生地を触るなかで手が汚れたりしますし、結構体力を消費するんです。そういう身体を使って描くダイナミックな感覚に惹かれた部分もありますね」作品のモチーフに花を選ぶようになったのも大学時代にルーツがあります。きっかけはファイバーアートの課題に取り組むために、実家に帰省していた時のことでした。「何でも作っていいという自由なお題の中で、実家の近辺を散歩しながら、自分が何に一番感動するのかを考えたんですね。道端に咲いていた花を見た時に、私には山や空を描くことはできないから、身近な自然物として花をモチーフにしようと決めました」

    自然は美しくもあり恐ろしくもある。

    古屋さんを語る上で欠かせないのは、やはりNHK大河ドラマ『八重の桜』のタイトルバックに起用された彼女の出世作といえる壮大な桜の絵です。その代表作を引き合いにして、自身の制作スタイルを教えてくれました。「北杜市の神代桜から辺りに生えている桜まで、いろいろな桜を見に行きました。ひたすら桜をスケッチして、最終的に脳裏に残ったイメージを描くんです。なので、実際に描く時は本物を見ないんですよ。花の味や香りも自分の中でデフォルメして、ニュアンスやタッチに表しています」作品のテーマとして共通しているのは「自然に対する畏怖」。そこには前述の奥田元宗さんの作品と、自身が山梨で生まれ育ったことが深く関わっていました。「自然風景って崇高なものだと思うんです。例えば山は“霊峰”と言い換えられますよね。奥田さんの作品から伝わってきた畏怖を私は山梨の自然から感じるんです。自然は人間にとって感動と恐怖にもなり得る。幽玄で儚い花にも奥の方にはダークな部分がありますし、そういった不気味な部分があるからこそ、人は自然に惹かれるんじゃないかなって」

    私独自の表現から、ろうけつ染めの存在を伝えていきたい。

    唐草・桜・梅など印伝の模様には自然界のモチーフが多く採用されていますが、それは自然の美しさと畏怖に対しての敬意によるものとされています。その意味において、古屋さんと印伝には大きな共通項があると言えるでしょう。「これ、かわいいでしょ」と古屋さんが見せてくれた印伝は、古典模様の乱菊・牡丹・モダンなヘリンボーン柄など、彼女の審美眼を感じさせる貴重なデザインばかり。「はじめての印伝は母からもらったトンボ柄のパスポートケースです。私は地元愛が強くて、山梨由来のものを持ちたいんですね。人に知ってもらいたいという気持ちもあって」印伝を手にとりながら、芸術表現と伝統工芸でもあるろうけつ染めへの想いを聞かせてくれました。「私は職人の元で修行してきたわけではないので、たぶん筆の洗い方から職人さんとは違うと思います。それに職人と呼べるほど技術は卓越していませんし、表現自体も本来のろうけつ染めとは違うという自覚もあります。ただ、そうやって私独自の表現を深めていくことで、私なりにろうけつ染めという伝統工芸の存在を伝えていきたいですね。作家として自分の爪痕をしっかりと時代に残していきながら」

    PROFILE

    PROFILE

    古屋絵菜


    1985年生まれ。山梨県甲州市(旧大和村)在住。武蔵野美術大学大学院出身。卒業後はろうけつ染めの染色家として活動し、現在は甲州市の生家にアトリエを構えながら全国各地にて企画展などを開催。NHK大河ドラマ『八重の桜』のオープニングタイトルバックに作品が採用、中国にて個展を開催するなど、国内外での評価が高く、その将来が嘱望されている芸術家のひとり。2017年8月には印傳屋の新聞広告用のビジュアルとして、桔梗の花ととんぼをモチーフにした描き下ろし作品を発表した。


    https://jypg.net/furuyaena

  • 印伝

    印伝

    農家、富岡丈明さんの財布と美智子さんの小銭入れ

    母親から譲り受けたという富岡さんの長財布は裏地にも鹿革が使われた贅沢な一品です。妻の美智子さんも小銭入れを愛用し、「使い心地が良いので、ものすごくラフに普段使いしてしまってます」と笑顔。「モノがあふれている時代だからこそ、『ここでしか買えない』とか『この人しか作れない』というものに価値や魅力を感じる。」と語って下さいました。
  • LIFE STORY

    富岡 丈明

    農家、富岡農園、30代。

    自分の「直感力」を信じて、素直に農業を楽しむ。

    心地よいひんやりした空気の中、早朝から畑に立ち汗を流す富岡丈明さん。「今年は梅雨入りしても雨が降らず、乾燥が続いていたので、夏野菜の生育が悪くて…でも、不安定な気候にめげずによく育ってくれました」と、収穫間近のズッキーニに目を向けます。2011年に農家となった富岡さんは、農薬や化学肥料を使わない有機農法を実践しています。「農業は自然が相手。毎年状況が変わるので、考えすぎたり、固定概念に囚われてしまうとうまくいかないことが多い。できるだけ自然に寄り添い、バランス感覚を大切にしながら素直に行動していくことが自分なりの継続の秘訣でしょうか。農作業はとても大変ですが、野菜がきれいに作れて収穫できた時は全く疲れを感じないし、ものすごく楽しいです」と笑顔になりました。

    農業を軸に、のびやかに日々の生活を慈しむ。

    もともと甲府市の兼業ブドウ農家で生まれ育ち、ずっと農家になりたい気持ちを抱いていたという富岡さん、都内でサラリーマンを経験した後、「農業をやるならここしかない!」と子供の頃から渓流釣りで何度も訪れていた北杜市で独立しました。徐々に畑の面積を増やしながら、自身の栽培法やスタイルを確立、販路も格段に広がりを見せています。その傍ら、生活も子育ても趣味もマイペースでのびのびと楽しんでいる様子。妻の美智子さんと2人の子供たちについては「オアシスのような存在ですね」と嬉しそう。しかし、周辺には後継者不足に悩む高齢の生産者が多いそう。「農業の世界って素晴らしい。だからこそ、農業に従事する大人は誇りを持って取り組むべき。そうすれば地域の子供たちも自信を持って農業の道を選択できるはずだから」

    明確なビジョンを描き、理想の暮らしを実現していく。

    サラリーマン時代に培った経験を活かし、現在もビジョンづくりを欠かしません。将来の自分を想像し、なりたい自分を具体的にイメージして書き留めておくそう。「会社員だった20代の頃、すでに『10年後は会社を辞めて就農し、家族をもって農業で安定した生活を送っている』とイメージしていました。10年経たないうちに実現していましたね。仕事も人生も自分のビジョンを明確にして、少し背伸びするくらいの目標を掲げておくほうがモチベーションが上がり、夢を実現していけるはず」と語ります。また、お互いに刺激を与え合える有機農業仲間の存在も大きい。「年齢や経験に関係なく、対等に付き合えるのは農家だから。お互いを尊重しあえる先輩や仲間がいてくれることは幸せですね」

    幼い頃から慣れ親しんだ、身近な工芸品。

    そんな富岡さんがそっと差し出したのは、母親から譲り受けたという甲州印伝の長財布。裏地にも鹿革が使われた贅沢な一品です。「祖母も母親も弟も…家族が印伝を使っていたので、昔からとても身近なものでした。ちょっとお洒落な後輩が持っていたりして、高校生の頃には友達の間で流行っていたんです。実際手にすると肌に馴染む感覚が心地よくて、漆の手触りの良さも感じられました。この質感が好きですね」と語ります。妻の美智子さんもプレゼントされたという小銭入れを愛用し、「使い心地が良いので、ものすごくラフに普段使いしてしまってます」と笑顔。「こういう手作りのものに惹かれます。この印伝がつくられる工程も気になりますね。今はモノがあふれている時代だからこそ、『ここでしか買えない』とか『この人しか作れない』というものに価値や魅力を感じるから、プレゼントしたくなります。贅沢に鹿革を全面に使った印伝のギターケースがあるといいですね」ギターを手に、富岡さんも笑顔で語りました。

    PROFILE

    PROFILE

    富岡丈明


    1982年山梨県甲府市生まれ、山梨大学卒業後は製造業の会社に就職。海外営業部に勤務した後、有機農業の世界へ。2009年に山梨県北杜市に移住、現在3ヘクタールの農地で50品種以上を栽培。農事組合法人グットファームや有機農業者グループ「やまそだち」に所属し、首都圏の生活協同組合、青果専門店、仲卸業者他、都内レストランや道の駅などに出荷。趣味はギターで、現在はフラメンコギターに没頭。


    http://gutto-farm.com/

    http://yamasodachi.com/

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    葛飾北斎もその様子を描いた「雀踊り」。印傳屋では更紗技法の模様として永く伝承してきました。
    このたび40年ぶりに、黒革に金色の更紗で鮮やかに再現しました。

    #印傳 #印伝 #印傳屋 #印伝屋 #更紗 #雀踊り #すずめ踊り #合切袋 #財布 #伝統工芸 #inden #japan #madeinjapan

    https://www.instagram.com/p/BWW2k89hR8R/
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    山梨県を南北に連なる南アルプスは、甲州の風土や暮らしを育んできました。南アルプスを源流とする豊かな水は、日本一の桃やぶどうの産地を潤します。また、流域には独特の産業や文化が生まれ、「甲州印伝」もその一つです。山開きを迎えた、南アルプスの玄関口「芦安」を山太朗とめぐりました。

    八ヶ岳をフィールドに活躍する写真家の砺波周平さんと、相棒の山太郎(さんたろう)の協力のもと、印伝のふるさとの四季や、人々の営み、文化をご紹介いたします。

    #印伝 #印傳 #甲州印伝 #印傳屋 #山梨 #yamanashi #japan #芦安#南アルプス#甲斐犬 #印伝のふるさと

    https://www.instagram.com/p/BV8r0yQBYwj/
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    菖蒲は、印伝とゆかりのふかい草花です。武士の心得である「尚武・勝負」と音が同じであることに由来します。はかなさや潔さが武士に尊ばれてきた「桜」と「菖蒲」を併せた「小桜菖蒲」という模様も古くから愛される印伝の模様です。

    #印伝 #印傳 #印伝屋 #印傳屋

    https://www.instagram.com/p/BVQhq0yBUNG/
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    甲斐市の御領(ごりょう)棚田は、古くは小さい水田が連なる関東随一の美しさを誇る棚田と言われていました。地域の人々の手によって、かつての景観が少しづつよみがえりつつあります。
    八ヶ岳をフィールドに活躍する写真家の砺波周平さんと、相棒の山太郎(さんたろう)の協力のもと、印伝のふるさとの四季や、人々の営み、文化をご紹介いたします。


    #印伝 #印傳 #甲州印伝 #印傳屋 #山梨 #yamanashi #japan #棚田 #田植え #甲斐犬 #印伝のふるさと

    https://www.instagram.com/p/BVGJQrkhV2K/
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    英国が発祥と言われている千鳥格子模様(ハウンドトゥース・チェック)を黒漆で表現した印傳屋のメンズシリーズ「隼人」。メンズにふさわしいシンプルな品格を表現しています。
    #印伝 #印傳 #印傳屋 #甲州印伝 #メンズバッグ #千鳥格子 #japan #madeinjapan #houndtoothcheck

    https://www.instagram.com/p/BUjLZXhh9jy/
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    つる草が繁茂する姿を描いた唐草模様。生命力が強く、無限に広がる姿に長寿や繁栄への願いが込められています。
    #印伝 #印傳 #印傳屋 #甲州印伝 #唐草 #小銭入れ

    https://www.instagram.com/p/BTlXA7fhmR-/
  • 印伝

    印伝

    パーマカルチャーデザイナー、四井真治さんのがま口の小銭入れ


    自然と共に豊かになる暮らしや道具をデザインするパーマカルチャーデザイナーの四井真治さんは「その土地の自然や風土を理解し暮らした結果、マッチしたものだけが風習や文化となって根付く、だから文化や道には必然性があると話してくださいました。甲州印傳の“がまには、テキスト以上の多くの情報が詰まっていると四井さん目を輝かせていました。
  • LIFE STORY

    四井 真治

    福岡県出身、山梨県北杜市在住。 ソイルデザイン代表、パーマカルチャーデザイナー、40代。

    自然の流れに寄り添う『パーマカルチャー』を実践する暮らし

    「自然の仕組みって本当によくできています。パーマカルチャーを研究して、自分なりの世界観を少しずつ形にしてきた結果、10年かかってこの場所にひとつの世界ができあがりました」自作のかまどで火を起こしながら、嬉しそうに話す四井真治さん。爽やかな初夏の風が吹き抜ける庭は緑があふれ、ワイルドストロベリーが実り、ビオトープにはワサビやドクダミが生い茂っています。人間はもちろん、猫や鶏たちも穏やかにのびのび暮らしています。パーマカルチャーとは、持続可能な環境を生み出していくためのライフスタイルのデザイン。人間と自然が共に豊かになるような永続的な暮らしを実践している四井さんはこう言います。「パーマカルチャーはまさに『命の仕組み』。私たち人間や動物たちが暮らすことで、この場所は土も環境もどんどん良くなっていく。生態系の仕組みに逆らわず、周りの自然環境に寄り添う暮らしには無限の豊かさがあります。実践してきたからこそ、やっとその原理が理解できるようになりました」

    日常生活の中で『命』に触れる体験が心の豊かさにつながる

    こまめに堆肥小屋を観察するのが四井さんの日課。発酵熱で温かくふかふかの堆肥は、落ち葉や生ゴミ、排泄物などを分解し、畑にまかれて土に還っていきます。昨年この世を去ったヤギのキューちゃんを埋葬した四井さん、「キューちゃんの体から出てくる虫を鶏たちが食べ、堆肥の中の微生物がその体を食べて分解していくことを考えた時、キューちゃんは私たち家族のもとに新たな命となってまた還ってきてくれると実感できました」と、堆肥小屋の中を元気に動き回る鶏たちの姿に目を細めます。鶏たちは卵を提供してくれ、竹林を切り開いた畑には野菜や果樹が育ち、竹堆肥の菌床からはマッシュルームが顔を出しています。自分たちの暮らしの中で得られる貴重な食材だからこそ、より一層美味しく感じられるし、噛みしめるごとに充足感で満たされるのでしょう。そんな日常生活の中の一つひとつの作業を心から楽しむ暮らしこそ、心の豊かさにつながると四井さんは考えます。

    命は文化につながる。古きよき文化を大切にしたい

    古い農機具や道具を集め、壊れても修理しながら大切に使い続けたり、生活に必要なものは自ら作り出している四井さん、「古いものって自然の仕組みや文化のかけらを感じとれます。自分が本能的に文化の断片を欲しているのでしょうね」と、ナラの端材で自作した木皿を見つめます。「文化には不思議な力があります。自然の流れや文化に沿って暮らしていると、自分のやりたいことややるべきことが定まり明確になります。アイディアや行為が必然的に生まれてくるんです」と語り、「その土地の自然や風土を理解しながら生きる、その結果、暮らしは文化となります。自然や風土にマッチしたものだけが風習や文化となって根付いていくのです。そして、暮らしは『命の仕組み』に基づいているものなので、文化は命の延長線上にあることになります。命と文化、その間に自分たちの暮らしが存在しているのです。だからこそ、今残っている日本の文化を大切にしていかなければならないと思います」

    甲州印伝には膨大な時間と知恵が凝縮されている

    約10年前に購入し、3年ほど使い続けたという唐草模様のがま口を手に、「こういうがま口が好きなんです。このデザインだったら男性が持つのも良いと思ったし、かなりラフに扱っていましたが、とても使いやすいんです」と微笑む四井さん。しかし、口金をつくる職人が減少している現実を知り、「こうやって日本の素晴らしい文化が失われていくのかな」と嘆く。「甲州印伝は膨大な時間と知恵が詰まった産物。モノにはテキスト以上の情報があり、このがま口から多くの情報を感じ取ることができます。このがま口を手元に保管しておいて良かった。これは歴史をつなぐ貴重な資料になるはずです。甲州印伝の文化と技術を絶やさずに後世に受け継いでいくためにも、これからも大切にしたいですね」

    PROFILE

    PROFILE

    1971年福岡県生まれ、信州大学農学部森林学科卒業後、緑化会社と有機肥料会社の勤務を経て独立、ソイルデザインを設立。2007年に山梨県北杜市に移住。生ゴミや排泄物を堆肥に利用、生活排水を庭のビオトープに活用するなど、無駄のない自給性の高い暮らしを実践しながら、全国各地で講師活動を続ける。パーマカルチャーセンタージャパン講師。


    http://soildesign.jp/

  • 印伝

    印伝

    白州の酒蔵「七賢」の醸造責任者、北原亮庫さんの長財布と名刺入。

    南アルプスが育んだ白州の水を守り、地域の文化や歴史をつくる酒造りをつないでいくことが、酒蔵の使命と話してくださった北原さん。印伝はインスピレーションを受ける存在、黒の重厚感と、裏地の青のアクセントがある長財布に一目ぼれしたそうです。
  • LIFE STORY

    北原亮庫

    山梨県北杜市在住。 30代 山梨銘醸株式会社醸造責任者。

    歴史と伝統を守り、革新的な挑戦を続ける。

    蒸し暑い室の中、慣れた手つきで麹をかき混ぜる北原亮庫さん。300年以上の歴史を誇る山梨県白州町の酒蔵の家に生まれ育った北原さんは、「日本酒は季節の変わり目や行事など日本の文化に欠かせないもの。日本人の身体に馴染んでいる気がするし、飲んだ時にホッとしますね」と笑顔で話します。醸造責任者として家業を継いでからは、オリジナル甘味料「糀糖」や炭酸を使わずに瓶の中で発酵させたスパークリング日本酒の開発など、新商品を次々と世に送り出しています。「まだまだ挑戦と反省を毎年繰り返していますが、長い歴史を経て今につながる伝統を感じるからこそ、王道から外れず、本物志向であるべき。七賢としてのブランドを汚すことなく、新たな価値を創造していきたい」と力強く語ります。

    白州の自然を感じ取れる日本酒を目指して。

    「南アルプスが育んだ水は丸みがあり、甘みが感じられるほどやわらかい。そんな水の特徴を最大限に引き出して表現するのが、白州の酒であり、酒蔵の使命」と北原さん。一口飲めば、白州のイメージが脳裏に浮かぶようなやわらかさや潤い、透明感やキレを感じられる日本酒を追求してきました。「多くの失敗を重ねながらも磨き上げてきた製法や技術、そして日本酒の文化は世界に誇れるものだと思います」と胸を張ります。そんな北原さんは、チャレンジ精神も旺盛。伝統を重んじつつも、新しい時代にあった酒造りの現場を築き上げてきました。熟練の職人でも経験の浅い若手でも、変わることのない"七賢クオリティ"を目指し、そのために必要な最新技術の導入やチームとしての酒造りを進めてきた結果、今、七賢の酒蔵は若いスタッフが精力的に働く活気あふれる現場になっています。

    後世へとバトンをつないでいく使命。

    「ここに並んでいる日本酒は、それぞれの時代の杜氏が最高級のものを目指して作り上げたもの。きっと今よりも過酷な環境で酒造りに取り組んでいたのでしょうね」古酒が並ぶセラーの中、長い年月を経て熟成された大吟醸を手に、歴代の造り手へ思いを馳せる北原さん。「職人として酒造りに愚直に向き合う姿勢や真面目さは、先人から受け継いでいかなければならないと思います。酒蔵に求められる機能は、地域の文化や歴史をつくること。この地域の人がここのお酒が飲みたい、ここに米を収めたい、ここで働きたい、と言ってもらえるような仕事をしていきたい。だからこそ、もっとこの白州の地を日本酒で発信していきたいし、この水を大切に守り、次の世代につないでいきたいのです」

    甲州印伝は親近感を抱く存在。

    「山梨県民ですからね、甲州印伝を愛用していることに特別感はありません。当然のように持っているものですね。時代に合わせて新しい商品を打ち出していく姿勢は、我が社に通じるところがあり、インスピレーションを感じるし、おおいに刺激をもらっている存在」と話す北原さん。その手には、甲州印伝の財布と名刺入れ。財布は鮮やかな青の裏地が特徴的で、「この財布は偶然見つけた限定品。黒の重厚感が好きですが、その中に青のアクセントがあるのが一目で気に入りました」と笑顔。「印伝は柔らかくて使いやすいですね。長く使い続けて柔らかくしていくのもいいし、毎年買い替えるのも楽しいし、それぞれ持つ人が楽しみ方を考えられるところがいいですね」

    PROFILE

    PROFILE

    北原亮庫

    高校卒業後、東京農業大学醸造学科に進学。卒業後、岡山の酒蔵で3年間の修行を経て、醸造試験場で学んでから故郷に戻る。300年続く酒蔵を継いで、醸造責任者として七賢の酒造りや麹を使った商品開発に携わる。
    http://www.sake-shichiken.co.jp/

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    華やかにいつまでも輝いていてほしい。そんな思いを込めて桔梗色の鹿革に白漆で生命の輝きを表現したシャイン模様です。
    4月29日(土)〜5月14日(日)まで直営店でお取り扱いしています。

    #印伝 #印傳 #甲州印伝 #印傳屋

    https://www.instagram.com/p/BTX-FnZh9h4/
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    人々も動物も待っていた春の訪れ。南アルプスから神宮川に流れ出る雪解け水は、釜無川となり甲州の田畑を潤します。

    八ヶ岳をフィールドに活躍する写真家の砺波周平さんと、相棒の山太郎(さんたろう)の協力のもと、印伝のふるさとの四季や、人々の営み、文化をご紹介いたします。

    #印伝 #印傳 #印伝のふるさと #山梨 #甲斐犬

    https://www.instagram.com/p/BTFp37fhPda/
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    甲府盆地から始まった甲州の桜前線は、南アルプスのふもと白州(はくしゅう)でも見ごろを迎えました。

    #印伝 #印傳 #印伝のふるさと #山梨 #白州 #甲斐駒ケ岳

    https://www.instagram.com/p/BTFo7PIB3Ly/
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    身を守り、厄を払うと言われる波鱗(なみうろこ)。武士の時代から愛される伝統の模様です。

    #印伝 #印傳 #印傳屋 #甲州印伝 #小銭入れ

    https://www.instagram.com/p/BTFoRv1BkNL/
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    甲州(山梨)伝統の甲斐犬。発祥の地と言われてる南アルプスを背に。

    八ヶ岳をフィールドに活躍する写真家の砺波周平さんと、相棒の山太郎(さんたろう)の協力のもと、印伝のふるさとの自然や、人々の営み、文化をご紹介いたします。

    #印伝 #印傳 #印伝のふるさと#山梨 #甲斐犬

    https://www.instagram.com/p/BS-1PTahbjl/
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    印伝を愛用される方のライフスタイルを紹介する「Life with INDEN」を公開しました。
    詳しくは、ホームページお知らせをご覧ください。

    #印伝 #印傳 #印傳屋 #合切袋

    https://www.instagram.com/p/BS-0R21BcGz/
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    気がつけば4月半ば。新年から使い始めたお財布も、手に馴染んできました。

    #印伝 #印傳 #印傳屋 #甲州印伝 #財布

    https://www.instagram.com/p/BS0FdDxhHs4/
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    印傳博物館のホームページがリニューアルしました。印傳博物館は、印傳作品・鹿革工芸品・漆工芸品を中心とした研究と展示を行っています。定期更新する博物館便り「MUSEUM VOICE」もご注目ください。

    #印伝 #印傳 #甲州印伝 #印傳博物館#鹿革 #漆 #japan

    https://www.instagram.com/p/BSkCVP7hQHz/?hl=ja
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    あたたかな陽気に誘われて、印傳屋本社の桜が開花しました。

    #印傳 #印傳屋 #印伝 #山梨 #桜

    https://www.instagram.com/p/BSQX4pVBjwn/?hl=ja
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    桜が咲く季節限定の印伝「桜パレット」印傳屋のある甲府では、早咲きの桜が咲き始めています。

    #印伝 #印傳屋 #甲州印伝

    https://www.instagram.com/p/BR7vq2zhKgW/?hl=ja
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    印伝には、自然の草花をモチーフにした模様がたくさんあります。お好きな花を見つけてくださいね。

    #印伝 #印傳屋 #inden

    https://www.instagram.com/p/BRo9t3TBhY1/?hl=ja
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    雪をとかして花を咲かせる雪割草。
    その可憐さと、力強さを込めた印傳屋の創作模様です。

    #印伝 #印傳屋 #甲州印伝 #雪割草

    https://www.instagram.com/p/BRXnSWLhXOu/?hl=ja
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    甲州印伝は、富士山・南アルプス・八ヶ岳のなどの山々に囲まれた甲府盆地で生まれました。
    今日も、富士山を見上げながら一日が始まります。

    #印伝 #甲州印伝 #印傳屋 #富士山 #fuji

    https://www.instagram.com/p/BRJ5GG6hoWg/?hl=ja
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    古くからのロングセラー、印伝の巾着と小銭入れ。みなさんはどんな印伝がお好きですか?

    #印伝 #印傳屋 #甲州印伝

    https://www.instagram.com/p/BRIO_fThL6I/?hl=ja
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    印伝屋スタッフが使っているブックカバー。
    使い込むほどに手にしっとりと馴染んできます。今日はどんなお話を読んでいるのでしょうか?

    #印伝 #印傳屋

    https://www.instagram.com/p/BQzSoRlByDo/?hl=ja
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    春の日差しに誘われて、日向ぼっこが気持ちが良い季節ですね。

    #印伝 #印傳屋

    https://www.instagram.com/p/BQzSiTIBMgL/?hl=ja
  • 印伝

    印伝

    建築家、坂野由美子さんの印鑑入。

    小銭入れをアレンジした印伝には、設計図に押す大切な印鑑が納められています。山梨に生まれ育った坂野さん。印伝は幼い頃から身近な存在だったそうです。
  • 印伝

    印伝

    伝統文化の「金継」を継承する古屋容子さんの合切袋と名刺入。

    社会人になるときに購入した名刺入れがきっかけで、印伝と出会った古屋さんは、黒や紺の印伝を愛用しています。「普段持つものにはその人自身があらわれると思います」と話して下さいました。
  • 印伝

    印伝

    料理家、真藤舞衣子さんの束入(長財布)。

    結婚を機に、山梨で暮らすなかで自然と印伝を使うようになった真藤さんは、手に馴染んでいくような印伝の質感が好きと話して下さいました。5年以上使った印伝のお財布(葡萄模様)は、買い替えた今でも大切にされています。
  • 印伝

    印伝

    ゲストハウスを営む米林琢磨さんの名刺入。

    10年以上、愛用されている「勝ち虫」(とんぼ)模様の印伝。この名刺入をきっかけに生まれる会話が、印伝の魅力とのこと。今日も、海外からの旅人を仲間たちと出迎えています。
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    印伝

    鉄造形作家、上野玄起さんの印鑑入れ。

    祖父から譲り受けた腕時計、父親から受け継いだペンケースと万年筆とともに、6年ほど愛用している印伝の印鑑入が並びます。
    「ものを大切に長く使い続けたい」と話される上野さん。独特の模様と漆の光沢感に魅せられ印伝を選んだそうです。
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    印傳屋の公式Instagramにようこそ。

    鹿革と漆(うるし)で作られる柔らかな印伝のページを開いてみませんか?甲州(山梨)で生まれ育った「印伝」の世界を少しずつご紹介していきます。

    #印伝 #印傳屋 #ブックカバー

    https://www.instagram.com/p/BQzSaXPhr2P/?hl=ja
  • LIFE STORY

    上野玄起

    大阪府出身、山梨県北杜市在住。 鉄造形作家。50代。

    多彩な表情を見せる"鉄"という素材に魅了されて。

    鉄を自由自在に操り、大小さまざまな作品をつくり続けている上野玄起さん。「鉄はスピード感があります。溶接や鍛造で自分がイメージしたものを素早く形にできるところが自分の性格に合っていましたね」という上野さんは、長年鉄と向き合い、鉄で何ができるのか、どんな作品がつくれるのかを模索し続けてきました。「鉄は大切にしていれば何千年ももつもの。でも放置しておけば、朽ちて土に還っていく。強いようではかないし、硬いようでしなやか。磨くと光ったり、焼くと深みが出たり、錆びも味わいがあって、いろいろな表情を見せてくれる。その表情の変化がおもしろいですね」

    住空間に溶け込むような作品を生み出していく。

    作家としてデビューした当初は、現代彫刻作品ばかりつくっていましたが、アンティークショップで個展を開いたとき、家具の中に存在する自分の作品がいつもと違って見えたそうです。インテリアと鉄の作品が馴染んでいる様子を目の当たりにした上野さん、浮世離れしたギャラリー空間で美術愛好家に見てもらうだけでなく、自分から住空間にアプローチできるような作品もつくっていきたいと感じたのだとか。「美術作品に機能を持たせると、暮らしに取り入れやすいものになる。アートにクラフトの要素をもたせたり、クラフトをアート作品のように見せたり、その境界を失くしていくのが楽しい。アートは『心の栄養』だから、日常の生活空間に気軽に取り入れられることを作家として提案していきたい」

    人間らしい豊かな暮らしを求めて八ヶ岳南麓へ。

    阪神大震災を経験し、自分の生き方を探し求めていたさなか、偶然テレビで目にした八ヶ岳の風景にインスピレーションを感じたという妻のしのぶさんに勧められ、現地へと足を運んだ上野さん。「この場所に立って、この風景を見た時に、直感的に思いましたね。この八ヶ岳南麓は世界に向けて発信できる場所だって。この土地に住みたいなと本能的に感じました」と力強く語ります。さらに、「自然農」との出会いも上野さんの生活や価値観に変化をもたらしました。「雑草と作物、虫たちが共存する畑は、自然が凝縮されたひとつの世界。その風景がとても美しかった。そして、自分は土壌で作品が作物だと考えるようになり、自分が豊かにならなければ良い作品も実らない。様々な情報(化学肥料や農薬)を得て無理に見栄えの良い立派な作品をつくるのではなく、土である自分がいろいろな経験をして豊かになることが必要だと感じました」

    独特の模様の美しさと漆の光沢感に惹かれます。

    祖父から譲り受けた腕時計や父親から受け継いだペンケースに万年筆…ものを大切に長く使い続ける性格の上野さん。山梨に移住して初めて印伝を知り、「生活の中で伝統工芸品を使ってみたい」という気持ちが芽生えたといいます。物持ちが良い性分なのでなかなか買い替える機会がありませんでしたが、6年ほど前に印伝の印鑑ケースと出会い、今でも愛用されています。「印伝に実際に触れてみたら『なんかいいな』と直感的に思った。手触りや感触もいいけれど、写真では伝わらないこの漆の光沢感に惹かれます。色の組み合わせや模様の組み合わせで、いろんな可能性が無限にある点にもおもしろさを感じます。手にして初めてわかる印伝の良さもありますが、逆に模様や光沢といった見た目の美しさも魅力。だから、次に何かものを買い換えるときは印伝を選びたいという気持ちになりますね」

    PROFILE

    PROFILE

    上野玄起

    大阪府豊中市で生まれ育ち、京都精華大学卒業後、鉄の造形作家として活動を始める。現在は山梨県北杜市の上野玄起鉄の造形スタジオで、鉄をモチーフにした作品を作り続ける傍ら、私立高校の美術の教師を務めたり、子供たちのお絵かき教室を開催。「FeeLifeYATSUGATAKE」にも携わり、八ヶ岳のライフスタイルブランドを発信。

    http://blog.goo.ne.jp/morikaji

  • LIFE STORY

    真藤 舞衣子

    東京都港区出身、山梨県山梨市在住。 料理家。

    幼い頃から今につながる【食】を楽しむ心。

    パリッと新鮮なレッドキャベツやベビーリーフ、色鮮やかなカラフルミニトマト…今日もエプロン姿の真藤舞衣子さんはとっても楽しそう。「私も家族も食べることが大好きなんです」と語る笑顔がとてもチャーミング。「食」を大切にする両親のもと、幼い頃からキッチンに立って、甘い卵焼きをつくっては周囲に振るまっていたそうで、料理家として活躍する今も『食』への強い想いは変わらないのだとか。「私の料理はハレの日の料理ではなく、日々の暮らしに寄り添う料理。冷蔵庫にある食材を上手に使い、忙しい人でも気軽に作れて、日々の暮らしに寄り添うような家庭料理を伝えていきたいんです」と話す真藤さん、まっすぐに素材と向き合い、笑顔で調理をする姿は、食の世界を心から楽しんでいるようです。

    身ひとつで飛び込んだ料理の世界。

    会社勤務を経て、料理の世界を志した真藤さんは、日本の伝統文化に触れるべく、京都の大徳寺内塔頭で1年間を過ごしました。歴史ある寺院での生活や農業を経験し、豊かな自然と共生するような暮らしに魅力を感じたそう。その後、フランスに留学して菓子を本格的に学び、都内の製菓店に勤務するなど、さまざまな食の世界を渡り歩きました。結婚を機に山梨に暮らし始めると、山梨の旬の野菜や果物に食への好奇心がますます駆りたてられたようで、「東京だとあらゆる食材が簡単に手に入りますが、山梨の直売所の店頭を見ると、その時期の旬のものしか並ばないので、季節感がダイレクトに伝わってきます。だからこそ、今手に入る野菜や果物だけを最大限に料理に生かしたい」と目を輝かせます。

    日々の暮らしに寄り添うような家庭料理。

    近所からいただいた梅を使った自家製の梅干し、毎年冬になると仕込む麹をたっぷり入れた味噌など、真藤さんの食卓は今日も手作りの温かみがあふれています。素材そのものの味わいを生かした調理法を心がけながら、ちょっと一手間加えているそう。一見素朴な自然派の料理ですが、噛みしめるごとに素材の繊細な旨味が広がり、毎日でも食べたくなります。「素材の良さをダイレクトに味わってもらい、美味しかったから自分も作ってみようかなと思ってもらえたら嬉しいです。生涯で食べられる食事の回数って限られていますよね。だから、私は日常の一食一食を大切にしていきたいし、手作りの家庭料理の良さを伝えていきたいと思います」

    手に馴染んでいくような印伝の質感が好き。

    山梨で暮らすなかで、「印伝っていいな」と自然と思えるようになったという真藤さん。ワインを愛する真藤さんらしく、財布や名刺入れ、印鑑ケースなど、深みのあるワイン色の生地に葡萄柄が映える小物を使い続けています。特に最初に持ち始めたという財布は、破れるまで5年以上も使い込んだお気に入り。昨年イメージをガラリと変えて、紺色のメンズテイストの財布に買い替えましたが、また違った魅力を感じて、ますます印伝への愛着が増したそうです。「両親が信玄袋を持っていましたし、山梨の方と名刺交換をすると印伝を使っている方が多くて。実際に自分で使い始めたら、とても馴染みが良くて使いやすい。手触りも良いし、使い込むほどにどんどん馴染んでいく感触が好きです。今はチェーンバッグや信玄袋が欲しいし、印伝のクラッチバッグや包丁ケースがあるといいなぁ」

    PROFILE

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    真藤舞衣子

    東京都港区出身。東京赤坂でカフェ&サロン「my-an」を6年半営んだ後、山梨県に移住、「Sustainable Table my-anYAMANASHI」をオープン。山梨と東京で料理教室を主宰、レシピ開発を手がける。 「おいしい発酵食生活 FERMENTED FOOD RECIPES」(講談社)「煮もの炊きもの」『和えもの』(主婦と生活社)や『ボウルひとつで作れるこねないパンNO KNEAD BREAD』(主婦と生活社)など著書多数。やまなし大使としても活動中。

    http://my-an.com/

  • LIFE STORY

    古屋 容子

    山梨県山梨市在住。 金継ぎし「繕イビト」

    割れた器に新たな命をふきこむ伝統技法。

    漆や砥草、小麦粉や米粉など、身近な自然の素材で器をよみがえらせる日本古来の伝統的な技法「金継ぎ」。「一本線が入るだけで、器の表情が変化します。手をかけた分だけ、その価値や時間の重みが器に表れるのがうれしい」と話す古屋容子さんの手には、金継ぎによって再び命を宿した小さな豆皿。偶然に生まれたひびが独特の模様をつくりあげ、そのラインは驚くほどに滑らかで深みのある光沢を帯びています。「こうして器に触れていると、どんどん愛着が湧いてきます」と微笑む古屋さんの眼差しは優しさに満ちていました。

    自然の流れに寄り添う金継ぎの魅力。

    10年前、華道の師範をしていた母親の遺品に、割れたり欠けている器を見つけ、大切な器を自身の手で直したいという想いから、金継ぎの世界に足を踏み入れたそうです。山梨で会社員として働きながら、休日には東京の師匠のもとへ通い続け、金継ぎの歴史や技術を知れば知るほど、その奥深さに没頭。「金継ぎは自然の時間。季節ごとに漆の変化を実感し、毎回新しい発見があります。温度や湿度といった人間にコントロールできない自然のリズムがおもしろい。いろいろと考えをめぐらせながら、器に集中している時間が私には必要でした」

    直しても使い続ける日本人の心を伝えたい。

    2016年9月に甲府市の中心部にアトリエ「繕イ処」を設け、古屋さんはさらに活動の幅を広げています。「実際に見てもらうことで金継ぎに興味をもってもらい、暮らしの中に取り入れる方が増えてくれたら」と、精力的に講座やワークショップを開催。「今のこの使い捨ての時代に、こだわれるものに出会い、直してでも大切に使い続けたいと思える器があることが幸せ。そんな日本人独特の価値観や金継ぎの歴史と文化を海外にも広めていけたら。そして、いつか母が遺した器を直して、墓前に報告したいですね」

    身につけるものにはその人自身があらわれる。

    伝統文化を継承し、日常生活の中で漆の魅力を実感している古屋さん。社会人になって名刺入れを購入して以来、長年印伝を愛用しています。「普段持つものにはその人自身があらわれると思います」と話す古屋さんの印伝は、紺や黒といったちょっと渋めのアイテム。「印伝は山梨を代表する伝統のブランドだし、このような古典柄を女性が使っているのは珍しいようで、この名刺入れから会話が弾みます。一番いいのは飽きないこと。年齢を重ねても一生使えるもの」また、煎茶道をたしなむようになり、和装にあわせて合切袋も使い始めました。「巾着の粋な感じが好き。すごく存在感があって、着物にこれほど調和するものはなかなかありません。破れるまで使い込みたいです」

    PROFILE

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    古屋容子

    山梨県山梨市出身、在住。2007年から蒔絵師である師匠のもとで金継ぎの技術を学び、2013年から本格的に漆での陶磁器の修繕業務を開始し、金継ぎ講座の講師を務めている。

    http://tsukuroibito.com/

  • LIFE STORY

    米林 琢磨

    山梨県富士河口湖町在住。30代 kagelow Mt.Fuji HOSTEL Kawaguchiko オーナー

    幼少時代から憧れていた世界一周の旅へ。

    「この場所にたどり着いたら、いったい何があるのだろう…」幼い頃から世界地図を眺め、ただひたすら想像をめぐらせていた米林琢磨さん。その長年の想いに駆り立てられるかのように、24歳で海外へと旅立ちます。唯一の相棒は25kgのバックパック。『自分なりのブレない世界観』を求め、中国から東南アジア、中東、ヨーロッパ、南米、中米…と世界各国を渡り歩いた米林さんは、現在、富士山の麓で世界各国から訪れる旅人を笑顔で迎えています。

    心にゆらりと刺激をもたらすような空間を。

    米林さんが営むのは、老朽化した民宿を大胆にリノベーションして生まれた『kagelow Mt.Fuji HOSTEL Kawaguchiko』。築150年の古民家の材を巧みに取りいれた空間は、日本の伝統文化とモダンなセンスが調和する斬新なデザインが魅力。開業から1年、すでに1万人以上の宿泊客が訪れ、そのほとんどが海外からのバックパッカーです。「陽炎は異なるもの同士が混ざったときに起こる現象。異なる思想や文化が交わり、それぞれの心のなかで陽炎のようなおもしろい現象が起きれば…そんな空間や場所をつくりたかった。ここが世界各国の文化の交流拠点になり、富士河口湖町が若くて好奇心旺盛なバックパッカーがたくさん訪れる街になるといいですね」

    "チームkagelow"を支える経営者としての心意気。

    固定概念にとらわれず自由な発想でポジティブに行動をおこす米林さんを慕い、kagelowには多くの有能な人材が集まってきます。「ひとりの若手スタッフが、僕のバックパックを背負って世界一周の旅に出ました。自分が経験してきたからこそ、その旅立ちを応援したい。ここで働くスタッフにはキラキラ輝いていてほしいから、僕自身はその後ろでギラギラしています。なぜなら、ここは日本を代表する観光地。圧倒的なクオリティが求められる地域なので、アイディアとデザイン力で付加価値を提供していくことが重要」ときっぱり。そして、「富士北麓には魅力的な資源がたくさんある。僕自身は樹海の神秘的な美しさや精進湖と西湖の静かな雰囲気が大好きです」と表情を和らげました。

    印伝のストーリー性と奥深さに惹かれて。

    「甲州印伝は歴史が古く、模様の一つひとつに意味があって、そのストーリー性と深みがあるのがおもしろい」という米林さんは、名刺入れと小銭入れ、印鑑ケースを愛用しています。かれこれ10年以上使い続けている名刺入れを手に、「とても使いやすくて機能的。それに印伝を使っていると、このアイテムをきっかけに会話が生まれます。それが印伝の魅力」と笑顔。「昔は年配の方がもつものだと思っていましたが、実際に手にしてみると若い人が使ってもおかしくない。むしろモダンで、とてもかっこいい」

    PROFILE

    PROFILE

    米林琢磨

    1982年山梨県富士吉田市出身、大学では経済学部貿易学科に在籍。卒業後、24歳で世界一周の旅に出る。帰国後は議員秘書やサラリーマンを経て故郷へ戻り、家業のリース業を営む。妻の実家の民宿「ロッジ白壁」を改装して、2015年に『kagelow Mt.Fuji HOSTEL Kawaguchiko』をオープン。「一番大切なのは家族」と語る子煩悩な3児の父親。

    http://kagelow.jp/

  • LIFE STORY

    坂野 由美子

    山梨県山梨市在住。30代 S PLUS ONE 一級建築士事務所代表

    山梨は五感で四季を感じられる場所。

    「匂いや風景で季節を感じとれる山梨は、私が心豊かでいられる場所」とほほ笑む坂野由美子さん。6年前に東京から戻り、再び故郷で暮らし始めた彼女の心に芽生えたのは"自然素材の家をつくりたい"という強い想い。「山梨にはコンクリートのシンプルな家は似合わない…そう感じたとき、年を重ねるごとに味が出るような地域になじむ家をつくりたいと思うようになりました」

    山梨らしい家や作品を発信していく。

    そんな坂野さんお気に入りの場所が、明治期の文明開化を匂わせる洋風建築の旧田中銀行博物館。時間がゆったりと流れるような昔なつかしい空間に、「山梨独特の藤村様式がきちんと修復され、大切に保存されています。建築的にとてもおもしろい場所」とちょっと興奮ぎみ。故郷で受け継がれる伝統的な建築物は、彼女の価値観や方向性に大きな変化をもたらしたようで、山梨で育ったスギやヒノキを使った本棚や枡、ワインラックの開発にもたどり着きました。「この地域の文化や特産品を大切に、独自のアイディアをプラスして、山梨らしい家や作品をつくりたい」

    刺激を与えあえる心強い仲間の存在。

    忙しくも充実した日々を送る坂野さんがなにより大切にしているのは、友人たちとの語らいの時間。ふと仕事の手を休めて向かったのは、観光ぶどう園の百果苑。5代目萩原慎介さんとの何気ない会話や朝採りのフレッシュなデラウェアに、思わず笑みがこぼれます。マルサン葡萄酒の若尾亮さんも地域活性化に尽力する頼もしい存在。木もれ日が輝くぶどう棚の下で、ワイングラス片手に夢を語りあうことも。「ジャンルをこえてお互いに協力し合えるのも人とのつながりが濃密な地域だからこそ。山梨らしい活動ができるこの場所に戻ってきてよかった」

    印伝は愛着を感じる身近な存在。

    「家族が使い続けていたり、譲り受けたり、特別なものという感覚はなく、印伝は昔からすぐ身近にある存在でした」と、愛用の名刺入れと印鑑ケースを見つめる坂野さん。手にしっくりとなじむような自然素材の風合いと使い心地に惹かれているそう。「デザインのバリエーションが豊富なのも魅力。伝統を受け継ぎ、天然の素材で長く使い続けられるという点では、建築の世界と通じるものがありますね」

    PROFILE

    PROFILE

    坂野由美子

    1979年山梨県山梨市生まれ。関東学院大学工学部建築学科卒。
    都内の建築設計事務所に勤めた後、2009年にS PLUS ONE 一級建築士事務所を設立、翌年に山梨に戻り、甲州市勝沼町の旧甲州街道沿いにオフィスを構える。建築設計をはじめ、店舗の内装や家具、プロダクトのデザイン、イベントの企画、コンサルティング業務などに携わる。

    https://www.splusone.jp/